Japanese Association of Family Therapy
一般社団法人 日本家族療法学会

会長挨拶

第11代会長に就任して

 第11代会長として推薦していただいた渡辺俊之です。

 1984年に設立された本学会は、先輩達の努力により約1000人の学会にまで成長し、年一度に開催される大会には会員と非会員を合わせ500人近い専門家が参加します。家族療法・家族支援の社会的ニーズに対応するため、また家族療法の専門性を担保していくために、2011年に学会認定ファミリーセラピストと学会認定スーパーヴァイザーの認定資格をスタートさせています。

 家族療法の諸理論や諸学派を全体的に学べる基礎講座には多くの参加者が集まるようになりました。家族という文脈から治療対象や支援対象を理解することの重要性が広く認知されるようになったのだと思います。こうした流れの中で、学会の持つ社会的貢献や責任性の重さが再考され「法人化」が決定されました。2018年1月22日に「一般社団法人日本家族療法学会」として認可され、新たな地平に向かって活動が開始されています。

 心理領域では国家資格である公認心理師がスタートしました。家族療法は心理療法における重要な領域であり、個人への関わりにおいても家族療法理論は不可欠な「知」です。

 医療・看護領域では、電子カルテ化によりジェノグラムがカルテから消え、家族を考慮した対応が弱体化しています。家族は身体的ケアにおいても重要な存在であり「家族」の文脈を医療現場に復権させねばいけません。

 ソーシャルワークにおいて家族の理解と対応は中心的な位置づけだったはずですが、教育や研修において「家族療法学会」の持つパワーが十分に発揮されていません。

 学校教育では発達障害の増加や不登校やいじめ問題など、家族の理解なしでは対応できないことばかりであり「家族の理解と対応」のニーズが高まっています。

 会員それぞれがAgency(行為者性・主体性)を持って、各自が所属する現場や関連する学会への普及に努めてほしいと考えています。

 日本家族療法学会は「柔らかな家族」です。柔らかな家族とは、適切な境界制御や役割意識を持ち、適切な情緒交流ができる集団であると思います。これまでの学会の持つ「柔らかさ」を維持しつつ、社会的責任を意識して活動していくことが法人化された学会では重要になります。

 私の責務は、公私に私を支えている二つの理論(力動精神医学とシステム論)を活用し、法人化した学会を機能的に運営し、幅広く普及させていくことだと思っています。

 よろしくお願いいたします。

渡辺俊之 渡辺医院/高崎西口精神療法研修室

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